パナソニックがプラズマテレビのパネル製造から撤退するという報道があった。現在プラズマテレビを販売しているのはパナソニックと日立だけど、日立はもともとパナソニックからパネルを調達しているので、パナソニックが撤退するとプラズマテレビが市場から無くなってしまう。
映像の美しさで液晶よりもアドバンテージがあるプラズマだが、いずれはもっと美しい有機ELに置き換わると思っていた。しかしこんなに早く消滅することになるとは思ってもみなかった。
要因としては、液晶の技術が上がってきて画質的にかなり追い上げられていることと、数の論理があるのではないかと思う。液晶の方が圧倒的に流通していて、プラズマは規模のメリットが出せるところまでなかなか行かないのではないか。
それと、最近液晶ディスプレイの画質を大幅に向上するフィルムが開発されたことも、今後プラズマの未来が明るくならないことに拍車をかけたと思われる。
そのフィルムは慶応義塾大学で開発されたもので、テレビなどの液晶ディスプレーに組み込むだけで、有機ELを超える画質を実現できる。また高価なフィルムを使わないため、今の液晶ディスプレーよりもコストを抑えられるのだ。東洋紡がこの4月にも量産を始めるとのことである。
有機ELを超える画質を実現できるのであれば、何も高価な有機ELは必要ない。プラズマの消滅とともに、有機ELの開発も終了してしまうかも?
ただ液晶にはプラズマや有機ELに比べて応答性が圧倒的に遅いという弱点がある。また画素そのものが輝度を持たないので、プラズマや有機ELよりコントラストが低く、さらに黒浮きしやすいというのも欠点だ。
この点を踏まえると、安価な一般品は液晶、高級品は有機ELという棲み分けはできるかもしれない。4Kや8Kもあるし、今後テレビがどうなっていくか非常に興味深い。