国債の金利と価格変動の仕組み

だいぶ前だが、日銀の白川総裁が国債などの債券の金利がいまの水準から1%程度上がると、銀行が持つ債券が6兆円以上も値下がりして、大きな損失が出るおそれがあるという試算を明らかにした。
そもそも債券は市場で売り買いされていて、その債券の価格が上がったり下がったりするものである。
例えば3年前に発行された額面利回り1%の10年物国債を今100万円分買うと、残り7年間で7万円の金利がもらえる。
ところが金利が上がって2%になるとすると、今年発行される額面利回り2%の債券を100万円買ったら、7年間で14万円もらえるのである。
金利が上がると、わざわざ安い額面利回りの国債など誰も買わない。
そこで、既に発行されている債権の利回り自体を変更することはできないから、債券価格自体が下がることで調整されるというわけなのだ。
3年前に発行された額面利回り1%の債券の価格が93万円まで下がれば、償還時には100万円もらえるわけだから、差額の7万円とあわせてもらえる金額は14万円になって、今年発行される額面利回り2%の債券と同じになるというわけなのである。
金利が上がると債券価格が下落する、というのは即ち、債券価格が下落すると実質利回りが上昇する、ということなのである。

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