単なる娯楽映画のつもりで見たのだけど、意外といい映画だった。主演のジョウ・シュンの表情がいい。哀しみの表現がいい。内容はベタだ。ストーリーは本当にベタ。もともと「聊斎志異」という古典が原作だから、ひねった話ではない。しかし全編通して漂う幻想的で哀しい雰囲気が非常にいいのだ。
中国、香港映画はこういうのが案外得意なのかもしれない。私の好きな「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」も荒唐無稽な話ながら、哀しく美しい映画だった。日本映画だともっと涙涙のジメジメとした映画になってしまう。
狐の妖魔・小唯(ジョウ・シュン)は、封印されていた氷地獄から雀兒(ヤン・ミー)に助けだされ脱出する。人間の心臓が欲しい彼女は、黄金のマスクで顔の傷を隠した皇女・靖(ヴィッキー・チャオ)と出会う。
2012年製作、ウー・アルシャン監督。
DVDのパッケージはもうちょっとどうにかならなかったのかな。これでは作品の雰囲気がひとつも伝わらない。
調べてみると、この映画は「画皮 あやかしの恋」の続編ということらしい。こっちも見なければ。