安倍政権のインフレ目標2%の是非

先月の日銀金融政策決定会合の議事要旨が公表され、この会合で複数の政策委員が、政府との政策連携のあり方などについて難色を示していたことが明らかになった。民間エコノミスト出身の2人が2%のインフレ目標導入について、「過去20年間実現したことはほとんどなく、いきなり目指すことは無理がある」などとして反対したらしい。

確かに2%の目標は非常にハードルが高く、実現の可能性は決して高くない。しかし実現するしないにかかわらず、高い目標を掲げることが今は必要なのだと思う。最初から無理だ無理だと言っていたら物事は進まない。

理屈で言えば、過去20年間実現したことはほとんどないし、労働人口も消費人口も減少しつつある日本で2%のインフレを達成するのはかなり難しい。しかし1%の目標だと0.5%しか達成されないものが、2%の目標だと1%達成できるかもしれない。もし1%達成できれば2%も見えてくるかもしれない。なんとか途中までいけば皆がその気になるかもしれないのだ。

だから、たとえいきなり2%を目指すことには無理があったとしても、華々しくぶち上げることに意味があるのではないだろうか。特に日本人はセンチメントが一方に傾きやすい国民性である。なんとなく「やるぞ〜!」という雰囲気になれば、一斉にダーっと走りだす可能性は低くない。

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