静かなる雪の道を歩く

大学時代は新潟にいたので、冬の間はずっと雪景色だった。一面真っ白で、春まで地面が見えることはない。毎日雪ばかり。地元の人はうんざりかもしれないが、関東から行った私は、冬の訪れとともに積もり始める雪が大好きだった。そもそも雪国に暮らしてみたくて大学は新潟にしたのだ。
冬の間、太陽はほとんど顔をのぞかせない。空はいつも灰色。常に20~30センチ積もっている雪を踏みしめ、歩く。ギュッギュッと鳴らしながら、時には新雪にサクッと踏み込んでしまいながら、歩く。
一面の銀世界を夜中にそぞろ歩くのもいい。ほの明るく、静かで自分の歩く音しか聞こえない。
そして部屋に戻ったら、熱い紅茶を飲むのである。

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