中小企業の短期資金調達先

中小企業は大手と違って財務に余裕があるわけではない。売掛金の入金予定はあっても、それまでのつなぎ資金が必要な場合がある。そういうときに銀行はあまり役に立たない。新たな担保を求められるし、そもそも融資の審査に時間がかかる。そこで消費者金融の出番となるのだ。消費者金融なら無担保だし審査も早い。どうせ短期の利用だから金利の高さもそれほど負担にならない。
しかし、借入できるのは年収の3分の1という総量規制が導入されて、困っているところが出てきた。つなぎ資金の調達が困難になっているのだ。
銀行は貸してくれないし、消費者金融もダメということになると、向かう先は闇金融となる。総量規制の結果、闇金融がはびこることが懸念されているのだ。
結局、政府は規制だけを行って代替手段を用意していない。自己破産者は減るかもしれないが、その一方で健全な借り手を闇金融に向かわせることになっている。そもそも借入の上限を政府が設定するなんて、大きなお世話なのだ。本来、借り手と貸しての間で決めるべきものなのである。
規制を増やすと、経済は停滞に向かう。「失われた10年」は、いつの間にか「失われた20年」になってしまった。このまま行くと「失われた30年」となるかもしれない。日本の競争力は低下していくばかりなのだ。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。