高負担高福祉社会と低負担低福祉社会

高負担高福祉社会は費用の前払い、低負担低福祉社会は費用の後払いをすることだと考えることができる。
高負担高福祉社会は高額の税金という形で費用を予め支払っている。だから医療費や教育費をタダにできるし、老後の心配もない。だが、全く健康な人でも医療費を、子供がいなくても教育費をかなり負担していることになるし、収入の半分以上を税金として納めるので、自由に使える分は少ない。
低負担低福祉社会は税金は少ないが、医療費、教育費、老後の暮らしなどの個人負担が大きい。また他の人の分まで負担する割合は少ないが、もし収入が途絶えたりすると医療、教育が受けられないことになる。老後の安心もない。
ただし、収入は自分で自由に運用できる。
どちらを選択するかはその国民の考え方によるが、高負担高福祉社会を実現するには1つの前提条件があって、それは政府と国民の信頼関係が成り立っているということだ。
長期に渡って収入の半分以上を預ける形になるので、よほどの信頼関係がないと踏み切れない。日本のように無駄遣いが目に付く政府では、高負担高福祉社会を実現することは難しいのである。預けたお金を訳の分からないことに使われてしまってはたまらないからだ。
現在の日本は中負担中福祉という中途半端なポジションとなっている。今後このままでバランスをとっていくのか、それとも低負担低福祉に向かうのか。無駄遣いと莫大な借金で信用度の低い今の日本政府では、高負担高福祉社会という選択肢はない。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。