ラルフ124C41+

小学生の頃に図書室でよく本を借りていた。「地底探検」「失われた世界」「コンチキ号漂流記」「シャーロック・ホームズ・シリーズ」「怪盗ルパン・シリーズ」など、SF、冒険物、探偵小説、などが多かった。「ラルフ124C41+」もお気に入りだったので何度も借りて読んだ。図書室に置いてあったのは子供向けのもので、題名も「27世紀の発明王」となっていた。

後に手に入れた早川書房のペーパーバックはちゃんと「ラルフ124C41+」という題名だ。著者はヒューゴー・ガーンズバック

ラルフ124C41+というのは科学者の人名である。この世界では姓は無い。末尾の+は特別な者にのみ許される称号で、世界に10人程度しかいないのだ。ラルフ124C41+は天才科学者なので+が付与されているのである。

ラルフは、ある日テレビ電話の混戦でアリス212B423という女性と知り合う。互いに愛し合うようになった二人だが、アリスは誘拐されてしまう。アリスを乗せ火星に向かう宇宙船をラルフは猛然と専用宇宙船で追いかけるのだが…。

もう100年以上前に書かれたものだけど、テレビ電話を当たり前のように使っている。無線の高周波電流で動くコースターというローラースケートのような移動用具などは、現代のバッテリーで動く電動ローラースケートのようだ。今となっては実現しているものもあるが、ガーンズバックの豊かな想像力による、とても面白いSFなのである。

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