中東の混迷は深まるばかり

ムバラク政権をひっくり返したクーデターの主役は民衆だった。そこにムスリム同胞団も加わり一緒に政権を倒した。政権を倒した後、民衆には明確な組織はない。一方ムスリム同胞団には確固とした組織があり、選挙活動など手慣れたもの。いつの間にかムスリム同胞団から大統領が出ることになり、その後エジプトはイスラム色を強めていくことになる。

今回のエジプトの民衆の暴動は、イスラム化をすすめるモルシ大統領とムスリム同胞団に対する不満が爆発したものだ。今後もしばらく世俗派とムスリム同胞団支持者との衝突は続くと見られている。

ついこの間まで激しいデモを繰り返していたトルコも同じく、エルドアン首相がイスラム色を強めていることに対する反発が大きな原因の1つ(一族の利権問題も大きいらしい)になっている。とすると、トルコの混乱はそう簡単に収まるとは考えにくい。宗教がからむと、信念の下にとことん突き進む可能性がある。

シリアの問題もあるし、中東地域の混迷は深まるばかりだ。

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