名前が出ないのは順当なのだ

最近名前が本当に出なくなってきた。それは老化現象ではあるのだが、そもそも顔は覚えているのに名前が出てこないというのは、名前が重要な情報ではないからなのだ。

現在のような生活をするようになったのはほんの最近のことである。人類は数万年も食うや食わず、やるかやられるかだった。そのような時代には敵か味方かを判断するのが重要なことである。だから顔は覚えているのである。

顔は重要な情報だから忘れない。しっかり覚えている。しかし名前は記号でしかない。重要でないから記憶の優先順位が低いのだ。

顔を忘れたら殺されるかもしれないが、名前を忘れても死にはしない。敵を見分けることが重要な時代が長かったから、それに適した記憶システムになったのである。だから名前が出てこなくても、ホラとかアレとかばかり言うようになったのも、それはシステム上仕方ないのだ。

というのは年寄りの単なる言い訳か。若い頃はちゃんと名前がすぐ出てきたから。でも名前が重要な情報でないのは本当である。重要でないところからだんだん機能が失われていくのである。

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