男と女

だいぶ昔に観た映画なのでモノクロと勘違いしていた。久しぶりに見ると基本的にカラー映画だったのだ。追想シーンが沢山あってモノクロやセピア調の画面がやたら混じるから、モノクロ映画のような気がしていたのかもしれない。カラー画面の色調も渋いから余計に勘違いしやすいのかも。
週末のドーヴィル。寄宿学校に入っている息子と一日を過ごしたジャン・ルイ(ジャン・ルイ・トランティニアン)は、同じく娘と過ごしパリへ帰る列車に乗り遅れたアンヌ(アヌーク・エーメ)を乗せていく。
翌週また一緒になり4人で一日を過ごす。だんだん距離の縮まる二人。お互い連れ合いとは死別して、今は独り身だ。
レストランで弾む会話。子供たちと過ごす海辺。帰りの車。
セリフの多い映画ではない。半分位は映像と音楽だけである。そのフランシス・レイとピエール・バルーの音楽がまたすごくいい。だからサントラが欲しくなる。
名画の場合、何気ない会話のシーンなんかでも不思議と面白い。これが駄作だと同じようなシーンで早送りすることになる。
DVDプレーヤーには1.3倍速というモードがあるので、駄作の時はこれを使いまくりだが、名作を見ていると全く使う気が起きない。演出の力、俳優の魅力、演技力、音楽、効果、その他諸々がそういう気を起こさせないのである。
忘れた頃にふともう一度見たい。この作品はそんな映画かもしれない。
1966年、クロード・ルルーシュ監督。

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