インビクタス

先月「グラン・トリノ」を観て、今日また同じイーストウッド監督の「インビクタス」を鑑賞。
俳優時代のクリント・イーストウッドはどこか斜に構えた風情で、冷静・ニヒルな役所が多かった。初期の監督作もそんな感じである。ところが最近のイーストウッド監督はヒューマン一直線なのだ。
「グラン・トリノ」も「インビクタス」もヒューマン・ドラマなのだが、主演している分、「グラン・トリノ」はなんとなく斜に構えた雰囲気も。しかし「インビクタス」にはそんな部分はみじんも無く、真っ正面からの正統派ヒューマン・ドラマとなっている。
そしてテーマは違うものの、どちらも人種差別がからんでいて最終的に融和するというのが興味深い。
ネルソン・マンデラ氏が30年もの投獄生活から解き放たれて大統領に就任する。南アフリカ共和国を新しく生まれ変わらせようとする大統領にとって、今なお残る白人と黒人との間のわだかまりは頭の痛い問題だ。新生南アフリカのために国民を一つにするにはどうしたらよいか。折しも自国で開催されるラグビー・ワールドカップにおいて、優勝を目指すことに期待をかけるのだった。
エンディング・テーマは、ホルスト「組曲・惑星」の中から木星。ボーカル版である。平原綾香が数年前に同じように木星に歌詞をつけて歌っていたのを思い出す。木星はローマ風に言うと”ジュピター”、ギリシア風に言うと”ゼウス”であり、全能の神なのだ。不可能は無いということだろうか?

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