王権の継承をめぐる虚々実々の駆け引きと愛憎が実に面白い作品である。イギリス王ヘンリーにピーター・オトゥール、その妃にキャサリン・ヘプバーン、息子の一人がアンソニー・ホプキンス、フランス王フィリップにティモシー・ダルトン(007出演の20年前。若い!)と豪華なキャスト。
イギリス王ヘンリーが王権を3人の息子の誰に譲るかにあたり、息子達それぞれとの駆け引き、息子同士の駆け引き、また愛人でありフランス王フィリップの姉であるアレースと彼女の領地の問題、さらに長年幽閉している妃の奸計などが複雑に絡み、こりゃいったいどうなるんだろう的状況。嘘だか本当だか解らない台詞の山に訳が分からなくなりそうだが、巧みな演技にだんだん引き込まれていく。室内での台詞のやりとりが主なので、ちょっと舞台劇のような雰囲気もある。
ラストまで見ればわかるのだが、単純な相続劇でもないのである。
1968年、アンソニー・ハーヴェイ監督作品。