横綱、大関が総崩れ

昨日の大相撲は大荒れだった。横綱と4大関が全て負けたのだ。そしてさらに関脇2人も負けた。上位陣が全員黒星だったのである。こんなことでいいのか。いったい番付の意味はどうなっているのか。

横綱照ノ富士に小結大ノ里が勝つというのは、ある程度予測がついた。照ノ富士の体調が思わしくないというのがわかっていたからだ。しかし大関4人と関脇2人が全員負けるというのはどうしたことか。

全く情けない。番付の権威が全く無いではないか。本来下位力士は横綱、大関という番付に名前負けするものなのだ。勝てる気がしないし全力も出せないものだった。それが今はいくらでも勝てるし、下位の力士が臆する気配は無い。完売御礼の垂れ幕が泣くというものだ。

もう何年もずっと、大関が負け過ぎている。負け越しによるカド番も非常に多いし、大関から陥落した力士、元大関が何人もいる。大関に昇進するときは勢いがあって、昇進に必要な勝ち星もちゃんと上げているのであるが、なぜかそれが続かないことが多い。せっかく大関になったのに、何度もカド番を繰り返したり、挙句の果てには大関から陥落してしまう。

だから新たな横綱もなかなか生まれない。本来は東西2人の横綱がいて、千秋楽には横綱同士の対戦が組まれるのが望ましいけど、もうずっとそれが無いのだ。なぜ大関になると勝てなくなる力士が多いのだろうか。

横綱になる人は、大関で負け越しなんかしない。大関は10勝以上するのが当たり前とされているのである。10勝以上というのは、実のところなかなか厳しいラインなのではあるが、昔は10勝できず9勝止まりの大関はクンロク大関といってバカにしたものだった。

優勝争いにもなかなか加われずに、ずっと大関という地位に留まっている人には、そもそも横綱の可能性を感じられないのだけど、それにしても負け過ぎる。横綱になれそうな本当に強い大関が現れないものだろうか。今のところ期待できるのは新小結の大の里くらいである。

先場所、幕尻優勝した尊富士も期待の新星だが、先場所の足首のケガが治らず今場所は全休。上半身に比べ見るからに足が細くて、この先もケガに泣かされそうである。

大の里が年内に大関、来年には横綱となり、尊富士が来年に大関まで上がって、琴櫻、豊昇龍あたりも奮起すれば、番付も安定するのではないかと思う。関脇の若元春も、もう少しパワーがつけば大関を狙える。

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