第20番はモーツァルトのピアノ協奏曲の中で一番好きな曲である。いつも聴くのは内田光子(ピアノ)、ジェフリー・テイト指揮/イギリス室内管弦楽団の演奏のもの。昔は第23番の方が好きだったのだが、いつの間にか聴く頻度も20番の方が多くなり逆転した。
第23番はうららかな陽射しの中にいるような曲。対して第20番は出だしからして暗く重い。23番は長調で20番は短調なのだから明暗の差は当たり前と言えるが、曲想がそもそも全然違うのだ。
そんな曲である20番だけど、聴き始めるとすぐに引き込まれてしまう。とてもドラマチックで魅力的な曲であり、演奏なのである。陰鬱な響きで始まる第1楽章、おだやかな第2楽章、変化に富んだ華やかな第3楽章。内田光子も第20番はこのジャンルの最高傑作だと言っているほどだ。
この演奏を聴き始めてから早30年近く。毎年のように新しい演奏が出てくる中でもまったく色褪せない。私の中ではもうスタンダードになってしまっている。
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