先週から今週にかけて銀行株など金融株は大幅に値を下げたが、このところの金融不安の元凶となったのは、ドイツ銀行の中国株による巨大損失であるらしい。2015年12月期は、68億ユーロ(8800億円)もの赤字になったということである。またドイツ銀行は大量のデリバティブ取引を行っており、その内容がかなり危ないものだという噂もある。ドイツ銀行の株価は年初から約40%も下落。今ドイツ銀行に対して、4月に来る3億5000万ユーロ(4300億円)の利払いが不安視されているのだ。
この不安が他の金融機関にも広がり、また日本ではマイナス金利による収益減少の見通しも相まって、銀行株などが非常に大きく値を下げているのである。
ドイツは中国に入れあげ過ぎた。メルケル首相自ら何度も中国を訪れるなど、ドイツは中国との経済の結びつきを深めてきた。中国に対する輸出依存度もかなり大きいようである。したがってこのところの中国の経済失速で、ドイツ経済も大きく影響を受けているのだ。
その悪影響の象徴ともなりそうなドイツ銀行の巨大損失。ドイツ経済界は舵取りの大きな変更を迫られている。