小保方氏に対する理研の調査委員会の結論は世間を納得させられない

理化学研究所の調査委員会は、STAP細胞の論文問題について再調査しないと発表した。しかしこの結論は問題を収束させたとは全然言えない。なにしろ調査委員会そのものに信頼感がない上に、結論を急いだ背景がなにやらきな臭いからだ。

きな臭い背景の1つは、特定国立研究開発法人への指定問題である。本来なら既に同法人に指定されていたはずが、STAP細胞の論文問題で延び延びになっているからだ。理研としは早く特定国立研究開発法人に指定されて、研究資金を厚くしたいのだ。

もう1つの背景は笹井副センター長である。詳しく再調査した結果、理研のエースである笹井副センター長に追求の手が伸びるかもしれない。だから、それを防ぐという目的もありそうな感じがする。

疑義についても、調査委員会の石井前委員長の切り貼りと小保方氏の切り貼りとどこが違うのか。小保方氏が改ざん・捏造なら石井委員長も同じく改ざん・捏造なのではないか。数年前ならよくて今はダメ、というような話ではとうてい納得できるわけもない。石井前委員長とその他疑義のある委員については簡単に白判定を出したけど、十分に調査、説明する必要があるはずだ。

要するに、理研としては小保方氏だけを切り捨てたい、という意図がどうしても見え隠れしてしまうのだ。画期的な発見があるのか無いのか、ということが本当は一番ハッキリさせたいことなのに、組織の防衛に重点が移ってしまっている。そういうことで違和感を覚えるほど早く出された調査委員会の結論は、世間を納得させることはできないだろう。

これほど社会的な関心を呼ぶ問題になってしまっているのに、理研は自分たちの理屈だけで問題を解決しようとしている。理研はSTAP細胞の論文問題そのものよりも、その後の対応で不信感を拡大させてしまった。このような組織に対して、特定国立研究開発法人の指定が適当でないのは、改めて言うまでもない。

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