日欧EPAの重要性が非常に高いことが野党にはわからない

本日の株式市場は一時400円を超える大幅な下落。アメリカが中国に対する制裁関税の追加を発表したからである。これに対する中国の報復関税も今後発表されるはずだ。これらの米中貿易摩擦による関税の応酬と先行きの不安から、日本の市場も大きな影響を受けているのである。

5年近くかけて交渉した日本とEUのEPA(経済連携協定)が昨年末に妥結し、本日EU本部があるベルギーのブリュッセルで署名式典が行われることになっていた。しかし豪雨被害への対応のため安部首相は訪問を取り止め、それによりユンケル欧州委員長が来日し、17日に改めて署名が行われることになった。

日欧EPAは、世界の貿易の37%、GDPでは合わせて28%を占め、世界でも最大規模の自由貿易圏が実現することになる。今回の署名は、日本にとってもEUにとっても極めて重要な意味を持つのである。だから安部首相が行けなくなったらユンケル欧州委員長が急きょ来日するということなのだ。普段上から目線のEUがすぐに来日を決めるほど、早急に実現したい協定なのである。

この協定は経済の実務部分のみならず、自由貿易体制の推進を掲げ、アメリカの保護主義に対向する象徴としての意味も持つ。交渉を開始した当初の目的に加えて、また別の価値も付加されることになったのである。

またアメリカのイランに対する経済制裁の問題で原油の確保に不安が残る中、サウジアラビアと話をつけるという、これまた重要な仕事が今回の欧州・中東訪問に含まれていた。

こういったこともわからないで、安部首相はヨーロッパに遊びに行くとか言っている立憲民主党は経済オンチも甚だしい。ただただ政権の足を引っ張りたいというだけで、国益も考えず政局に終始する姿勢は非常に見苦しい。

今回は豪雨被害対策で中止したが、その辺のことは閣僚に任せて、首相は欧州・中東へ行っても良かったと思う。閣僚だってそれくらいのことはできるだろう。何でもかんでも首相が出てこなくてはということはない。民間会社でもすべての案件に社長がしゃしゃり出ることはないし、逆にそんな会社は危なっかしい。実務は閣僚に当たる執行役員あたりがしっかり仕切るものである。社長は大きく方向性を決めることが仕事なのだ。

しかし欧州・中東訪問に出かけると野党&メディアがどうせ騒いで面倒だから、今回は中止、としたに違いない。野党&メディアは日本の国益を損ねる存在となってしまっていることに気がつかないのだろうか。だからどんなに騒いでも、政権・政府に不祥事があっても支持が上がらないのだ。政局ばかりではそっぽを向かれることになるのである。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。