映画館は2本立て、3本立てが普通だった

昨日友人とメールしていて思い出したのだが、映画館で映画を見るとき、昔は2本立て、3本立てが普通だった。都内等の封切りでは1本ということだったかもしれないが、地方の映画館では2本立てが当たり前で、3本立てもちょくちょくあった。いっぺんに2本、3本と続けて映画を見るのである。

2本続けて見ると約4時間、3本だと6時間だ。それを飲まず食わずで見たりする。今みたいに便利なペットボトル飲料なんて無いし、シネコンのような紙コップを置く場所も無い。ジュース等を買ってきたら、飲み終わるまでずっと手に持っていなければならないから面倒なのだ。

高校生の頃、見たいと思っていた「ローマの休日」が上映されることになった。他に「マイ・ウェイ」「追憶」との3本立てだ。大喜びで見に行って、3本立てを一周してもう一回「ローマの休日」を見た。都合4本続けて見たわけである。約8時間のマラソン鑑賞なのだ。明るい昼前に映画館に入り、見終わって外に出たら暗くなっていた。

今では2本続けて見るなんてしんどくて考えられない。家で1本映画を見るのでさえ、途中で休憩したりしているのである。若かったとはいえ、よくもまあ8時間も続けて見ることができたもんだと思う。昔は1本ごとに客の入れ替えということもなく、見ようと思えば朝から晩までずっと見ていることも可能だったのである。

そういう時代だった。すべてが今よりものんびりしていたのだ。今はもし2本立てがやっていたとしても、入るのをためらうだろう。2本も続けて見るのはしんどい。2時間という単位でさえ長く感じる時代に、さあこれから4時間というのはつらいのだ。時代の変化とともに、時間感覚もせわしなくなっているのかもしれない。

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