上越線で川端康成の「雪国」を体験する

川端康成「雪国」の冒頭の一節、「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」を体験したことがある。大学受験のために上越線で新潟に向かったときのことである。まだ上越新幹線が開通する前で、特急「とき」に乗って清水トンネルを群馬県から新潟県に抜けると、まさに小説の通り。冬枯れの乾いた関東から一気に一面の雪景色になるのだ。景色がガラッと変わるのである。

これが新幹線だとだいぶ雰囲気が違ってしまう。上越線だと大量に積もった雪が線路のすぐそばまで迫っていて、まさに「雪国!」という景色がずっと見られるのだが、新幹線は高架なので雪が迫る感じが無いし、山間部はトンネルばかりで景色もあまり見えない。

上越線の方が圧倒的に旅情があるのである。とにかくトンネルの前後で景色が一変するというのがすごい。トンネルを通って異世界に抜ける感じがする。上越線で冬の清水トンネルを抜けるのは非常に面白い体験なのだ。

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