今場所の終盤は非常に面白かった。12日までに横綱の大の里、豊昇龍、関脇の安青錦が10勝2敗で並び、これに大関の琴櫻を入れて金土日の3日間で総当りしたのだ。3人の優勝争いに加え、琴櫻も7勝5敗なので3人の内の誰か1人にでも勝たないと、来場所はカド番になってしまうから必死だ。
13日目は大の里が安青錦に勝ち、豊昇龍が琴櫻に勝った。大の里、豊昇龍は11勝2敗、安青錦は10勝3敗、琴櫻は7勝6敗。安青錦が一歩後退した。
14日目はなんと横綱が2人とも負け、安青錦が豊昇龍に勝ち、琴櫻が大の里に勝った。これで大の里、豊昇龍、安青錦が11勝3敗で並んで千秋楽を迎えることに。琴櫻は8勝6敗となってカド番回避。
期待の高まる千秋楽だったが、意外な結末に。なんと横綱大の里が休場したのだ。13日目の安青錦戦で肩を痛めたということ。どうりで14日目の琴櫻戦に力なく負けたはずだ。
豊昇龍は不戦勝となり12勝、安青錦も琴櫻に勝って12勝で優勝決定戦になり、安青錦が豊昇龍に勝って優勝を決めた。これで安青錦は豊昇龍に4連勝。豊昇龍は安青錦に一度も勝ててない。
安青錦は入幕以来ずっと11勝以上をあげ、その安定感と今回の優勝により、小結1場所、関脇1場所で大関に昇進することになった。通常は三役に昇進してから3場所33勝が大関への昇進条件の目安となっているが、安青錦は前頭筆頭でも11勝だったし、ずっと11勝していたのだから文句のつけようもない。
強い大関の誕生は番付にも厚みが出て良いことだ。最近は平幕優勝が多かったが、横綱、大関が優勝争いするという本来の形に戻ることだろう。母国ウクライナから日本にやってきてたった3年で優勝して大関に昇進。ロシアの侵略で疲弊する母国にも明るいニュースが届けられたことだろう。
