相撲の番付で前頭を平幕という。横綱、大関でも、関脇、小結でもない前頭が優勝することを平幕優勝という。今場所はちゃんと横綱の大の里が優勝したけど、近年この平幕優勝が頻発しているのだ。本来こういうことは滅多にないはずのことで、番付が崩壊しているのではないかとの批判も多い。
相撲界にとっても決していいことではないと思うが、本人にとってもあまりいいことではないようだ。なぜかというと、平幕優勝した力士が大成したのをあまり見たことがない。平幕優勝した後に横綱になったのは数人しかいないのだ。ほとんどはまぐれで終わってしまうのである。
力士にとって優勝は一つの夢だから、達成感を感じてしまうこともあるだろう。また優勝すると取材やお祝いの会など多数あって、どうしても稽古が不十分になりがちである。それでも地力のある横綱や大関なら次の場所にもちゃんと成績を残せるだろうが、平幕の力量で稽古不足ではどうにもならない。優勝の次の場所では散々な成績に終わることが多いのだ。
先場所平幕優勝した琴勝峰は、今場所3勝12敗と予想通りの惨敗だった。平幕優勝後に負け越すのはいつものパターンなのである。やっぱり今回もこうなってしまった。一回の優勝で満足してしまうということはないだろうが、なぜかその後伸び悩んでしまうのは恒例なのだ。
