今年もまたイグノーベル賞を日本人が受賞した。18年連続だそうである。イグノーベル賞はユニークな研究に対して贈られるもので、始まりはノーベル賞のパロディとして。人を笑わせつつ考えさせる研究、というのがこの賞の主眼である。
今年は、東京医科歯科大学の武部貴則教授らの「お尻で呼吸」の研究が生理学賞を受賞。ブタなどの哺乳類がお尻で呼吸できることを発見した、というものである。肺での呼吸が難しい状態になったブタに、お尻から高い濃度の酸素を含む液体を送り込むと、血液中の酸素が増えて呼吸不全の症状が改善したのだ。
人工呼吸器での呼吸が難しい状態の人にも酸素を供給できる可能性があるということで、臨床実験も始まっているそうである。肺の肺胞を広げると70平方メートルくらいだが、腸の絨毛は200~300平方メートルもある。実現可能性の高い研究なのだ。
しかし、こういう賞を日本人がずっと受賞しているというのはちょっと意外な気がする。真面目とか勤勉とか評されることが多いけど、意外と変わった人が多いのかもしれない。