今場所は横綱照ノ富士が優勝した。体調も万全ではないし、休場明けで調子も出ないのではと心配されたが、まったくの杞憂だった。内容も悪くなく、力強い相撲だったのである。
期待の大の里は9勝止まり。優勝、あるいは優勝に準ずる成績なら大関昇進もあったが、まあこれは期待しすぎだったか。大の里の師匠の二所ノ関親方は、必ずしも早い大関昇進に賛成ではなかったようであるし。
大関に上がったはいいが、すぐに落ちてはしょうがない。あまりにも一気に階段を駆け上がってきたから、もっとじっくり力をつけてからの方が良いと考えているのだろう。ここ数年、横綱に昇進するどころか関脇に陥落してしまう大関があまりにも多いのだから。ただ9月場所、11月場所の成績次第では、初場所から大関ということも十分考えられる。
大関陣は琴櫻の10勝が最高という体たらく。先場所大関から陥落した霧島はなんとか勝ち越したものの、10勝できなかったので大関に復帰することは叶わなかった。カド番の大関貴景勝は負け越しで、来場所は関脇に陥落する。そうすると来場所は関脇が阿炎、大の里、霧島、貴景勝の4人だ。上から2場所連続で落ちてきたから、関脇が膨れ上がってしまった。
小結の平戸海は10勝したのに、割りを食って関脇に上がれない可能性が高い。前頭6枚目で12勝して準優勝の隆の勝も、上が詰まっているからこのままでは三役復帰できない。もしかすると枠を増やして小結にするかもしれないが。
とにかく大関で渋滞してしまうのだ。大関までは行くが、そこから横綱に上がれない。そうこうしているうちに大関から陥落してしまう。今の幕内には元大関が何人もいる。高安、正代、御嶽海、朝乃山、霧島、それに来場所は貴景勝も。元大関だらけ。
まさか大の里は大丈夫だろうね。なんとか大関を突破して横綱昇進を果たしてもらいたいものだ。照ノ富士だっていつまでももたないから、このままでは横綱不在の番付になってしまう。