昨日で大相撲も中日を迎えたが、大一番とも言える見逃せない取組があった。先場所に大関から関脇に陥落した霧島と今場所がカド番の大関貴景勝の取組である。
霧島は10勝すれば大関に復帰できる。貴景勝は8勝して勝ち越せば陥落せずに済む。しかし前半戦の7日間で霧島は3敗、貴景勝は5敗もしているのだ。二人ともあと2敗しかできない状況である。それ以上負けると、霧島は大関に復帰するのが叶わないし、貴景勝は大関から関脇に陥落である。
どちらもほぼ崖っぷちに近い状況での取組なのだ。すでにかなり難しい見通しになっている二人が生き残りを懸けて対戦し、結果は貴景勝の一方的な勝利。これで貴景勝は3勝5敗となり、霧島は4勝4敗となった。
霧島が大関に復帰するにはもうあと1敗しかできない。しかしまだ横綱を始め上位陣との対戦が残っている中で、残り7日間を6勝1敗で乗り切るのは、現在の霧島の状態ではほぼ無理だろう。
貴景勝も霧島との大一番に勝ったものの、カド番を乗り切るには残りを5勝2敗で行かなければならない上に、霧島よりも更にたくさん上位陣との対戦が残っている。
よく考えると、生き残りを懸けた大一番ではあったが、すでに二人とも死んだような状況だった。これでおそらく来場所から、大関は琴桜と豊昇龍の二人だけになってしまうだろう。4大関だった先場所からたった2場所で半減してしまうのだ。横綱は1人しかいないけど、大関が4人もいるからわりと充実した取組が期待できると思ったら、急に寂しい事態になってしまう。残念なことである。