「ていし」なのか「さだこ」なのか

一条天皇の皇后である中宮定子(藤原定子)の読み方について、国語の授業では「ちゅうぐうていし」と教わったが、NHKの大河ドラマ「光る君へ」を見ると「ちゅうぐうさだこ」と言っている。どちらが正しいのか。鎌倉幕府ができたのは1192年と教わったが、近年では1185年になっているように読み方も変わったのかもと思ったが、調べてみると意外なことがわかった。

本当のところ、実はどのように読むのかわからないらしい。「ていし」と「さだこ」も推測でしかないのだ。「ていし」と読むことになったのは、平安時代の女性の名前は音読みにする、と明治の頃に決めただけのこと。だから「ていし」でも「さだこ」でもなくて他の読み方だったのかもしれないのである。なにしろ資料が無いのでわからない。「ていし」も「さだこ」も勝手にそう呼んでいるだけだから、どっちでもいいのだ。

実はその頃の高貴な人や地位の高い人は、近親者でなければ本名を呼ぶことはなくて、字(あざな)という本名とは別の名前を持っていて、その名前や役職で呼ばれることが普通だったということである。なので定子という名前を呼ぶのは天皇か親くらいで、他の人は別の呼び方(中宮様とか?)をしていたはずである。現代でも会社では上司を◯◯さんとは言わずに「課長!」と役職で呼んだりするから、似たようなものかもしれない。

とにかく「ていし」も「さだこ」も推測でしかないことがわかったので、「光る君へ」を見たときのモヤモヤは晴れた。まあドラマ内で人の名を呼ぶのに際して「ていし」よりも「さだこ」の方が名前として自然だから、これはこれでいいのかもしれない。

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