秋津温泉

岡田茉莉子の映画出演100本目を記念作して、自らプロデュースした作品である。1933年生まれだから、29歳にして映画に100本も出演したわけだ。映画全盛期とはいえ、すごい。

太平洋戦争のさなか、胸を病んだ青年、周作(長門裕之)が山奥の秋津温泉へとやってくる。そこで倒れた周作を宿の娘、新子(岡田茉莉子)が介抱することに。いつしか惹かれ合う二人だが…。

ひなびた秋津温泉の風情がいい。また岡田茉莉子がとてもきれいである。着物姿がよく似合う。ストーリーは全くのメロドラマなのだけど、温泉宿の佇まいと相まっていい味を出している。前編通してジメッとした暗〜い雰囲気だが、この暗さがいいのである。後に岡田茉莉子と監督の吉田喜重は結婚。

監督:吉田喜重
出演:岡田茉莉子、長門裕之、芳村真理、清川虹子、日高澄子、殿山泰司、宇野重吉、東野英治郎
1962年製作

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