予想外に困難だった掛け時計の修理

もう30年くらい使っているセイコーの掛け時計が止まってしまった。電池を交換しても動かない。どうやら針を動かすムーブメントが壊れてしまったようだ。

新しい掛け時計を買おうとamazonで物色すると、2000円前後の安いのがたくさんある。デザインもわりといいし、いくつかウィッシュリストに入れて口コミなどを読んでみる。概ね好意的な口コミだが、時間が狂うという事例がいくつかあるし、裏側の壁に掛ける部分が両面テープで止められているだけなので、はがれて落下したというのもあった。文字盤と針がずれているというのもあるし、見た目はいいけど、やはり安物はそれなりの品質のようである。

どうしたもんかと更に口コミを読んでいると、ムーブメントがパーツとして売られていることがわかった。誠時という会社のもので、私が買ったのはSP-340という型番のもの。1600円ほどで、安物掛け時計とあまり値段が変わらないから迷ったが、元々使っていた時計はもっとずっと高価だったから修理する方を選んだのである。

届いたムーブメントをさっそく取り付けてみると、なんと不良品である。動作が極めて遅く、5秒分動くのに20秒以上もかかるのだ。まったく使い物にならないから交換することに。amazonのサイトで手続きして、翌日クロネコヤマトが集荷に来ることになった。

しかし待てど暮らせど集荷に来ない。集荷の予定の時間を過ぎているので問い合わせ番号を入力してみると、なんと番号未登録と出るのだ。amazonに問い合わせようと思ったが、サイトのどこから問い合わせるのかよくわからない。amazonはその辺が非常にわかりにくいのだ。意図的にそうしているような感じ。

問い合わせ番号が未登録となると、営業所に電話してもどうせわからなさそうだし、クロネコヤマトのホームページから問い合わせることにする。しかしこちらも問い合わせの分類に「集荷に来ない」というようなものが無いので、集荷と関係ない分類にamazonから連絡のあった集荷スケジュールと問い合わせ番号などを書いて送る。

すると翌日クロネコヤマトからメールが来て、ちゃんと集荷された。しかしなぜ番号未登録になっていたのかはわからない。交換品は集荷の前にもう届いている。

ともあれ部品が届いたので、時計の修理をする。ムーブメントをはめ込んで、時計の時針、分針、秒針を順にセットして、時計の表面のガラスをネジ止めして完成だ。

ところが完成した時計を見ると秒針が動いていない。ムーブメントの動作は確認してあるし、だいたいガラスを取り付けるまではちゃんと動いていたのだ。

なぜ動かないのか。横からよく見るとどうもガラスと秒針が干渉しているような。試しにガラスを外してみると、やはり秒針が動く。シャフトが短い方のムーブメントを買ったのだけど、それでもうちの時計には長すぎたようだ。これよりシャフトが短いムーブメントはラインナップされていない。

ムーブメントを少し裏側に浮かせて、シャフトが時計の表側に出る部分を短くすることも考えたが、そうするとムーブメントが取り付けの爪にはまらない。ガラスは彩色されていてデザインの一部になっているので、無しだと全体のデザインが台無しだ。

色々考えて、この際秒針は無しということにした。掛時計はだいたいの時刻がわかればいいので、秒針は無くても困らない。秒単位で時刻を知りたいときは机上の電波時計を見ればいい。ただ、単に秒針を外すだけだとシャフトの穴が見えて間抜けなので、シールを貼っておく。

あれこれあって予想外に手間がかかったが、これでやっとお気に入りの時計が直った。めでたしめでたし。

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