行司の「待った」で騒然

先日、大相撲の横綱照ノ富士と前頭4枚目若元春の対戦で行司が「待った」をかけたものの、若元春が押し込んで照ノ富士が土俵を割ってしまうということがあった。照ノ富士は待ったに気付いたが若元春は気付かなかったので、こういったことになったのだ。

結局待ったをかけた時点から取り直しとなり照ノ富士が勝ったわけだが、一時は場内騒然となるほどのかつてない出来事だった。待ったをかけるタイミングが悪かった、動いている中で待ったをかけるべきではなかった、というのが大方の見方である。行司のミス、という評価だ。

このときの行司は式守伊之助。式守伊之助というのは行司の役職名で、上から2番目の位である。一番上は木村庄之助。現在の式守伊之助は存外に軍配差し違えや土俵からの転落が多く、もともと力量的に今ひとつという感じだった。なのでもう7年も空位になっている木村庄之助になかなか昇格できないのである。

本来なら結びの一番は行司の最高峰である木村庄之助が仕切るはずなのだが、それがもう7年も見られない。そして今回の「待った」事件で、式守伊之助の木村庄之助への昇格はさらに遠のいてしまった。まだまだ当分は立行司木村庄之助の姿が見られそうもない。

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