何気なく見たら、意外と良かった。主役は自分のことを「わし」と言うような、地方の方言丸出しの少女。自然に囲まれた町の小さな分校では、同じ教室で違う学年の生徒たちが一緒に学ぶ。日常生活がみずみずしいタッチで描かれている。
全校生徒が10人もいないような小さな分校。右田そよ(夏帆)はお姉さん役のような感じで、低学年の子らの面倒を見ながらの学校生活だ。そこに東京から男子の転校生(岡田将生)がやってくる。やっとできた同級生であり、都会の匂いの感じられる男子である。そよの心にさざ波が立つ。
こういう嫌味のない、ほのぼのする映画を久しぶりに見た気がする。ストーリーに大きなうねりがあるわけでもないけど、飽きることもなくずっと見ていられる。心が疲れているときに見たい映画かもしれない。
監督:山下敦弘
出演:夏帆、岡田将生、夏川結衣、佐藤浩市、柳英里紗、斉藤暁、大内まり、他
2007年製作