皇位継承における男系維持の問題をどうするのか

「ヘンリー8世の私生活」というなかなか面白い映画がある。その中に、あまりにも家臣が世継ぎを早くと騒ぐものだから、「世は種馬か!」と怒り出すシーンがあった。この映画をみたときにはおかしかったが、今の天皇家の問題として考えると笑い事ではない。男系を維持するために、悠仁親王は将来ヘンリー8世と同じ立場に置かれるのだ。

現在の天皇家に男子は生まれず、代わりに秋篠宮家の紀子様が気合で男子を生んだから、男系維持の問題は先送りになっているが、もし悠仁親王が生まれなかったらどうなっていたのだろう。

今の制度のままだと、悠仁親王は結婚後奥方と共に、世継ぎのプレッシャーにさらされることになる。今上天皇にはまだ弟がいて男子を授かったから良かったが、次の代は悠仁親王1人だけだ。是が非でも男子をもうけてもらわなければならないし、男子1人だけだとまたその次の代に同じ危機を迎えるから、最低2人、できれば3人の男子が欲しいところだろう。

昭和初期までは子供の数が多かったし、江戸時代までは正妻の他に側室(公的に認められた妾)が何人もいたので、男系の継続も問題なかった。しかし現代では1人の女性が生む子供は少ないのだし、側室を持つわけにもいかないのだから、男系の維持は無理がある。とりあえずは女性天皇を認めて、次に女系の議論を進めてもいいのではないか。

悠仁親王に女子しか生まれなかった場合にはいったいどうするのか。80年以上前に皇籍離脱した旧宮家を皇籍に復帰させて、無理やり内親王と結婚させる気なのか。

今のままでは男系維持には将来が見えない。政府は問題を先送りせずに、はっきりとした解答を早く出すべきである。

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