安い蕎麦はうどんである

しっかりした店で食べる、そば粉100%の十割蕎麦でも色味は薄いのに、チェーン店などの安い蕎麦はずいぶんと色が濃い。いかにもな蕎麦の色をしている。安い蕎麦は、蕎麦粉より小麦粉の方が多いのに、なぜあのような濃い色をしているのか。どう考えても着色しているとしか思えない。

そう思って調べてみたら、着色はされていないらしい。色が濃いのは、殻に近い部分をひいた蕎麦粉を使うからのようだ。しかし新たにわかったのは、立ち食い蕎麦や安い店では、蕎麦粉より小麦粉の方が多いどころか、蕎麦粉が1〜2割り程度しか入っていないものも多いということ。これはもはやうどんである。そばの色をした細いうどんなのだ。

なぜこんなことになるのかというと、蕎麦粉より小麦粉の方が断然安いからである。小麦粉の割合が多い程、原価を安くできる。販売価格を下げることができるし、儲けも多くなる。しかし当然ながら、味も風味も落ちることになる。

ちゃんとした蕎麦を食べるには、やっぱりそれなりのお金を払わなければならないのだ。

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