良い音を気軽に聴けたらいいのに

オーディオとビジュアルはAVとして一括りにされることが多いが、その性能や効果に対するユーザーの理解はずいぶん違うし、メーカーのアピールのしやすさもかなり違う。

映像の美しさというのはパッと見てすぐ解るけど、音の良さというのは解る人と解らない人がいるのだ。それに大概の人は、音なんて違いがあるのか?と思っている。

テレビなどは家電量販店などで簡単に見比べることができるので、美しさの違いを知るのは容易だ。しかし音の良い高級なオーディオ機器は専門店に行かないと聴くことができないし、慣れない人にとっては敷居も高い。そもそもオーディオ専門店がどこにあるのかも、普通の人は知らないのだ。私も音の良い高級なオーディオに触れるようになったのは社会人になってからで、それまでは存在さえもほとんど知らなかった。

しかし一旦オーディオの専門店と馴染みになると、そこはずいぶんと居心地の良い場所となる。良い音をあれこれ聴けるし、とても買えそうもない高級機も惜しげもなく聴かせてくれる。馴染みの店員さんとオーディオの話をするのも楽しいし、コーヒーも出してくれる。自分の好きなCDを持っていって、無料のコーヒーを飲みつつ試聴室でいい音に浸る、なんてこともできるのだ。

オーディオを趣味とするのは楽しいことだけど、そこにたどり着くのは容易ではない。良い音を気軽に聴ける場所がほとんど無いから、本当に良い音を知る機会が無いのである。しかも近年オーディオ機器のインフレ化は著しく、コンポーネント1つが数百万円なんてザラだ。初心者は驚いて逃げ出してしまう。

もちろん、もっと手頃な価格で十分音の良い機器もあるから、そういうものを気軽に聴ける場所、機会があると、オーディオ人口ももっと増えるはずである。今の状態だとオーディオの未来に明るい見通しは立たないと思う。

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