「アストロG」という自転車に乗っていた

子供ころに乗っていたブリジストンの「アストロG」という自転車。電池で駆動するウインカーが前後に付いていて、リアは光の点滅が左右に流れるようになっていた。5段変速、ディスクブレーキで、ポータブルの空気入れもフレームに装着され、スピードメーターも付いていた。50年ほど前に42800円という高価格。よく買ってもらえたのものだ。今乗っている自転車は1万円くらいのものなのに。

この「アストロG」のデッドストック品が、3年前にヤフオクで16万円で落札されていた。16万円という落札価格もすごいが、50年前の自転車がほぼ新品で残っていたことに非常に驚く。

この自転車の”売り”はなんといってもリアのウインカーで、自動車のように交差点を曲がるときにウインカーを点滅させるわけである。しかも音も鳴る。しかしこのウインカー、乗っている当人が自己満足しているだけで、これを見ている人はほとんどいなかっただろう。自転車で角を曲がるときにウインカーを点滅させる、なんてことは誰も思わないし、そんなことをしなくてもみんな曲がっているのだから。しかし男の子はこういうギミックが好きなのだ。

それは大人になって、対象が自転車から自動車になっても同じことであり、こんな性能だ、こんな機能が付いているといって興奮しているのは男性だけで、ほとんどの女性はそんなことに興味はない。車そのものに強い興味を持つのはもっぱら男性で、女性とっては車の使い方やデザインの方が重要だ。買物や通勤、お出かけや子ども達を乗せるなど、どのように使えるかという実用性が大切なのだ。

男の方がロマン的で、だから50年も前の自転車が16万円で売れるのだろう。

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