ケネス・ロナーガン監督のヒューマン・ドラマ。あまり過剰な演出をしないで淡々と描いていく感じは、ラッセ・ハルストレム監督の作品に似ている。アクションやサスペンスなど起伏の大きい映画が多い中、こういう静かな作品は落ち着いて見られてなかなかいいものだ。
愛想の悪い、寡黙な何でも屋のリー(ケイシー・アフレック)は、兄の死の連絡を受けて故郷に帰る。遺言で兄の息子の後見人となるが、リーにとって故郷は決して居心地の良い場所ではないのだった。リーにとって故郷はは悲劇を思い出させる場所なのだ。
この映画でアカデミー賞主演男優賞を受賞したケイシー・アフレックは、やはりこの役柄によく合っている。脚本賞も受賞しているだけに、物語も悪くない。まあ見ても損はないだろう。
故郷の地名が「マンチェスター・バイ・ザ・シー」なのだが、最初イギリスのマンチェスターだと思って見ていて、車が右側を走っているのでアメリカだと気がついた。調べてみると、アメリカのボストンにもマンチェスターがあるのだった。
ケイシー・アフレック、ミシェル・ウィリアムズ、カイル・チャンドラー、ルーカス・ヘッジズ主演。2016年製作。