将棋の杉本八段がまた昇級

将棋の杉本昌隆八段は昨年度順位戦でC級1組からB級2組に昇級し、今年度はまた竜王戦で3組から2組への昇級を決めた。50代になっての昇級というのはあまり聞かないし、さらに順位戦と竜王戦の両方でというのは珍しい。

普通は年齢とともに棋力も衰えていき、だんだん降級していくのが当たり前だ。それがなぜ2年連続昇級となっているのか。それは恐らく弟子の藤井聡太七段によるところが大きいのではないかと思う。

藤井七段の快進撃は散々ニュースにもなったし、その強さは誰もが認めるものである。その物凄く強い弟子、明らかに師匠より強い弟子とよく稽古しているのだから、師匠も自然と強くなったのだ。昨年、一昨年はテレビにもよく登場し、藤井七段のスポークスマンのようになっていたが、実は本業の方も好調だったのだ。

棋士の基本給のようなものである参稼報償金は、順位戦のA級から下に下がるに連れて7掛けくらいになっていくらしい。例えばもしA級の参稼報償金が年1000万円だとすると、B級1組は700万円、B級2組は490万円という風になっていく。

だから杉本八段は昨年度昇級したので、基本給が3割ほどアップしたということになる。杉本八段はよき弟子に恵まれたし、藤井七段は師匠に実利的なご恩返しができた。もう1つのご恩返しであるタイトル奪取も、いずれ近い内になされるだろう。

そして竜王戦3組では杉本八段と藤井七段での決勝となった。まだ対局日程は決まっていないが、この師弟対決に勝った方が本戦出場である。好調の師匠が弟子を抑えて本戦出場するか、それとも天才の弟子が師匠を撃破するのか。外野にとってはなかなか興味深い対局である。なお1位2位は2組昇級なので、2人とも昇級することは決まっている。

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