グリーンブック

まだ差別が色濃く残る時代に、人気の黒人ジャズピアニストと彼に雇われた白人運転手との演奏旅行の話である。題名の、黒人が泊まることのできる宿を記載した旅行ガイド「グリーンブック」を持って。一般のホテルには、黒人は泊まれなかったのだ。

ピアニストのドクター・シャーリーは教養高く、上品で繊細。運転手のトニーはガサツで無教養。ドクター・シャーリーに雇われる前にはナイトクラブで用心棒をしていた。黒人は嫌いで、排水管の修理に来ていた黒人作業員が使ったグラスを捨ててしまうほど。

ドクター・シャーリーは演奏旅行の先々で毎度毎度ひどい差別を受ける。レストランに入れてもらえない、バーでなぐられる、物置部屋のような楽屋、夜外出しているだけで逮捕される、等々。それらの差別を当たり前だと思って何の疑問も抱かない白人が恐ろしい。

しかし、なぜわざわざ差別のひどい南部へ演奏旅行に行くのか。その辺の理由はハッキリと説明されてはいない。アメリカ人なら肌感覚でわかるのかもしれないが、当事者ではない日本人にはわかりにくい部分かもしれない。

長い演奏旅行を進めるうちに、ドクター・シャーリーの教養と我慢強さに尊敬の念を深めていくトニー。二人はこの旅を通して次第に友情を深めていくのだった。

ヴィゴ・モーテンセンはこの映画のためにあんなに体重を増やした(20kgくらい)けど、健康の方は大丈夫なのだろうか。ロバート・デ・ニーロやシャリーズ・セロンも以前同じようなことをやっていたし、逆にクリスチャン・ベイルは役柄に合わせてガリガリに痩せた(30kgくらい)こともあったが。役者にとって演技が第一、健康は二の次ということか。

2018年製作、ピーター・ファレリー監督、ヴィゴ・モーテンセン、マハーシャラ・アリ、リンダ・カーデリーニ出演。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。