ルドゥーテの博物学的なバラも好きだけど、ルドンの花の何とも言えない色合いやたたずまいが大好きである。ルドンの花の絵に共通しているのは、花瓶に入っていることと背景が無いこと。オディロン・ルドンはフランスのボルドー出身の画家である。
パステルカラーや中間色が好きなのも、ルドンを好む理由の1つかもしれない。鮮やかな花ではなくて、どこかボヤッとした感じの描写なのである。また地色の色合いやグラデーションも面白い。
実はルドンの初期の絵はモノクロの奇怪なものばかりで、このような色彩豊かな絵を描き始めたのは50歳くらいからだ。どのような心境の変化があったのだろうか。
ルドンの作品はほとんど花の絵しか見なかったのだが、昨年行った三菱一号館美術館での「ルドン 秘密の花園」展で新たな発見をした。
花ではない絵で、背景代わりの地色のブルーがとてもきれいだったのだ。ますますルドンが好きになった。
しかし花の絵も花じゃない絵も、本物はもっとずっと美しいのだけどね。