テレビのCMの総量は決まっている

友人がテレ東はCMが多い気がするというので、そんなことはあるまいと思いながらも、気になるので調べてみた。

まず日本民間放送連盟放送基準というのがあって、これによると以下のように番組に対するCMの時間の上限が決まっている。
5分以内の番組 1分00秒
10分以内の番組 2分00秒
20分以内の番組 2分30秒
30分以内の番組 3分00秒
40分以内の番組 4分00秒
50分以内の番組 5分00秒
60分以内の番組 6分00秒
60分以上の番組は上記の時間量を準用する。

1時間の枠の中で54分の番組と6分の番組を組み合わせることが多いのは、この枠組をうまく利用するためだ。60分番組だと6分しかCMを流せないが、54分と6分に分けることによって、6分+2分=8分のCMが流せるようになる。番組CMの他にスポットCMもあるので、1時間当たりの正味の番組時間は大体45分くらいである。1/4近くはCMなのである。

面白いことに各局のCMの割合をちゃんと調べている人がいて、それを見ると予想通りどの局もほとんど同じ。まあそれは当然で、60分枠を54分と6分に分けてまで最大限のCMを流そうとしているくらいだから、どの局も同じくらいになるわけだ。うちは少なくていいなんていう局はない。

なぜ最大限のCMを流したいかというと、収益を最大限にしたいからである。CMをたくさん流せば流すほど局の収益は上がる。だから野放図にCMが増えないように上限が決まっているのである。テレ東だけがたくさんCMを流すということはない。どの局も上限いっぱいいっぱいに流しているから、当然どこも同じになるわけである

それではなぜ友人はテレ東のCMが多いと感じたのだろうか。それについてもちゃんと調べられていて、1つの番組に対するCMの総量が同じでも、長いCMを数少く流すのと短いCMを数多く流すのでは、短いCMを数多く流す方がCMが多いと感じられるということなのだ。

友人が見た番組は短いCMを数多く流すタイプだったのだろう。だからCMが多いと感じられただけで、実際には他と変わらないのである。どの番組も資本主義の原則に則って、最大限のCMを流しているのだから。

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