ミッドナイト・イン・パリ

この映画の出演者を確認するためにデータベースを見たら、ウディ・アレン監督作品としてアメリカで最大のヒット作なのだと書いてあって驚愕した。アメリカ人はどうかしているのじゃないだろうか。

ウディ・アレンの作品ではなんといっても「アニー・ホール」が一番で、これに類する作品が上位に来ると思う。ウディ・アレンが主演した上で、都会人の皮肉、冷笑、理屈屋だけど寂しがり、こだわらずにはいられないインテリの苦悩、みたいなところが魅力なのだと思うのだ。

そういう意味ではこの「ミッドナイト・イン・パリ」は少し毛色が違う。面白いことは面白いけど、ウディ・アレン映画の主流ではない。だからこれが最大のヒット作となるのは理解し難いし、恐らく日本では違う結果になるだろう。日本的情緒では「アニー・ホール」などの方によりシンパシーを感じるはずだ。

この映画が面白くないわけではない。ただし楽しむためには若干の基本的な知識は必要だ。1900年代初頭の芸術家たちの名前と作品くらいは知らないと。ピカソ、フィッツジェラルド、ダリ、マン・レイ、ヘミングウェイ、ガートルード・スタイン...。なぜなら、これらの人物がどんどん出てきて、名前と何をしている人かくらい知らないとわけがわからないからだ。

ギル(オーウェン・ウィルソン)は婚約者のイネズ(レイチェル・マクアダムス)とその両親とともにパリに旅行に来ている。1人で歩くパーティの帰り道、通りかかった古い車に乗せてもらうと、なぜか1920年代のパリに迷い込んでしまう。そこで尊敬する芸術家たちに会い、夢のような時間を過ごしたギルは、毎夜過去に出かけていくようになる...。

出演はオーウェン・ウィルソン、レイチェル・マクアダムス、マリオン・コティヤール、キャシー・ベイツ、レア・セドゥ、マイケル・シーン、トム・ヒドルストン、エイドリアン・ブロディなど主役級ばかりで豪華だ。元仏大統領夫人のカルラ・ブルーニもガイド役で出演。
ウディ・アレン監督、2011年製作。

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