昨夜のアメリカ、ダウ平均は大幅な下落で始まった。雇用統計の数字が悪かったからだ。予想を大きく下回ったばかりか、7月分、8月分も下方修正されて、雇用情勢の悪化や景気の先行きが大きく意識されたからなのである。下げ幅は一時258ドルに達し、こりゃ来週の日本市場も大きく下落して始まるようだなという感じだった。
しかしここからが市場の面白いところで、大きく下げたダウ平均はじわじわ上昇し始めて、3時間後くらいにはついにプラスに転じ、終値はなんと200ドルの上昇となってしまったのだ。雇用指標がかなり悪かったのに、なぜダウは上昇に転じたのか。
それは今月末にも始まるかもしれないと思われていたアメリカの利上げが、雇用指標の悪化をうけて先送りされるという観測が大勢を占めたからなのである。ゼロ金利政策が続けば市場に資金が流入しやすい。資金が大量に流入すれば株価は上がりやすい。それを期待した買いが入って、昨夜は大幅下落から大幅上昇に転じたのである。
指標が悪化しても株式市場は下がるとは限らない。よい連想が生まれれば上がるのである。市場は面白い。