もう少しダークナイト

「ダークナイト」についてもう少し言わせて貰う。
私にとってバットマンみたいなヒーロー物は軽快なアクションや珍妙な新兵器・能力が楽しみなわけだが、どうもティム・バートン監督の「バットマン」辺りから敵役の描写に軸足が移っている感じがする。それは従来と違った新しい切り口ではあるが、ヒーロー物本来の魅力や面白さからは逸脱して、理屈抜きで楽しめる映画ではなくなってきた。しかもなにやらヒーローが悩んでばかりいる。
「ダークナイト」の前作「バットマン・ビギンズ」ではヒーローを全面に出した本来の姿にやっと戻った気がしてとても楽しめたし、荒唐無稽な装備品の開発なども面白かった。でも今回の「ダークナイト」ではまたまた敵役の描写中心。しかも悪そのもの、人を悪に引きずり込むことを楽しむジョーカーを、主役がかすむくらいの圧倒的存在感で描いている。はたしてこれがヒーロー物の映画だろうか?
こんなサイコなやつが実質的勝利を収めるような後味の悪い映画を作りたいのなら、別の題名でどこか他でやればいいのだ。
どうもなんだか最近のバットマンはすっかり悲しみのヒーローになってしまったようで、スカッと爽快なのをひとつ次回作ではお願いしたい。

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3件のコメント

  1. アメリカンコミック好きの知人も言ってましたが、ヒーローも勧善懲悪だけだと飽きられるようで、ウェットなヒーローを描かざるを得なくなるようです。
    スパイダーマンやキャプテンアメリカ….。みんな途中から悩み多きヒーローになっていくようです。
    私は嫌いじゃないですけど。

  2. でも何だかここ10年くらい悩んでばかりいるような気がします。スパイダーマンもいつもいじいじしてますよね。そろそろ本来のスカッとしたヒーローに戻って欲しいなあ。

  3. 映画を観るなら ダークナイト

    ーロー映画の中では、現時点で最高の映画。最初は、単にリアルにして暗く地味な展開になるだけなんじゃないかと勘ぐってたけど、こんなにボリュームがあって、息つく暇もない展開だとは思わなかった。詰め込み度はスパイダーマン3と同レベルだけど1シーンごとのクオリ..

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