白黒画面でやるせない雰囲気。主人公はいつもつまらなそうな顔をしている。親類の女の子が訪ねてきてしばらく逗留するのだが、この子も笑顔無し。日常生活もとてもつまらなそう。倦怠感。底辺の生活。スクリーミン・ジェイ・ホーキンスの独特の音楽。特にこれといったストーリーの展開もない。
友人が訪ねてきたりドライブに出かけたりもするが、行動や会話も行き当たりばったりで常に空虚さがつきまとっている。彼らは何が面白くて生きているのか?何かものを考えたりしているのか?
こう書くとなんだかつまらなそうな映画みたいだが、これが意外と面白いのだ。なんとなく変なおかしさがあって、雰囲気というか味のある映画なのだ。
バックに流れるスクリーミン・ジェイ・ホーキンスの歌も、最初は変な歌だなと思っていたのだが、映画を見終わる頃にはすっかり気に入ってCDを買ってしまった。
1984年、ジム・ジャームッシュ監督作品