音楽は長持ちする

先日、平松愛理、永井真理子の曲を久しぶりに聴いて、このあたりをよく聴いていたのがもう30年も前ということに気づいて驚いた。考えてみれば、クイーンやカーペンターズ、井上陽水やかぐや姫などを散々聴いたのは50年近く前、約半世紀も前のことだ。クラシック音楽は何百年も前の作品だったりするし、音楽というものは非常に長持ちする。

映画の歴史はまだ100年くらいで、1950年代くらいになると名作も多いが、30年代、40年代は稚拙な作品が多く、名作と思えるものは数少ない。

それに生活様式の変化は映画に古さを感じさせる。車のデザイン、ファッション、食事、等々。ほんの2,30年前に映画によく登場した電話ボックスも、現在ではもうほとんど街に見当たらない。

音楽も題名や歌詞は様式変化の影響を受けるけど、メロディーは全然関係ない。「ポケベルが鳴らなくて」という曲など、平成生まれの人には、ポケベルって何?と思う人も多いだろうが、メロディーは普通に聞くことができる。

この間久しぶりに「エイリアン」を見たが、宇宙船の操縦席でタバコを吸いながら操作していた。40年前の作品で、当時は別に違和感もなく見ていたが、世界的に嫌煙の進んだ現在ではあり得ない描写である。もしかすると、あと100年もすれば、あの口からプカプカ煙を吐いているのはいったい何だろう?ということになるかもしれない。

このように生活様式の変化に影響を受けるのは小説も同じである。情景描写が古くなる。古典は古い時代のものとの了解があるが、ほんの2、30年前の小説は現代の話なので、今に近い分だけ逆に古さを感じさせることになってしまう。

エンタメの世界では、生活様式の変化にあまり影響を受けない音楽はやはりとても有利なのだ。

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