先日読んだオマル・ハイヤーム/ルバイヤートの一節にちょっといいのがあった。ルバイヤートは四行詩集である。
ないものにも掌の中の風があり、
あるものには崩壊と不足しかない。
ないかと思えば、すべてのものがあり、
あるかと見れば、すべてのものがない。
ルバイヤート全体はそんなに感じ入るところはなかったけど、ここだけいい。オマル・ハイヤームの無常観が端的に述べられている。オマル・ハイヤームは1000年くらい前のペルシアの学者・詩人である。
平家物語の冒頭部分「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理(ことわり)をあらわす」と、ちょっと通ずるところもあったりする。
ルバイヤートはその時点での真理、平家物語の方は時間経過を含む表現である。