武士の献立

加賀藩で主君の料理を担当する「包丁侍」とその妻の物語。話の主軸は妻の方である。「包丁侍」として成長する姿と、それを支え夫の成長を促す妻を描く。

春(上戸彩)は長年お貞の方(夏川結衣)の料理番を務めるが、一度嫁に行ったものの気が強くてすぐに離縁され、出戻った過去を持つ。その料理の腕に感心した加賀藩の料理方の舟木伝内(西田敏行)に、息子の嫁にと懇願されて、代々料理方を務める舟木家に嫁ぐ。伝内の後を継ぐことになる安信(高良健吾)は、料理よりも武道の方に熱心で、料理はあまり得意でない。確かな料理の腕を持つ春は、安信を包丁侍として成長させていくのだが...。

なかなか面白い作品だと思う。脇の西田敏行、余貴美子が効いている。包丁侍としてのエピソードと加賀藩のお家騒動をからめて、1つの物語としている。

面白いのだけど、私の映画ノートに◯が付くまではいかなかった。ちょっと惜しい。もう少し「包丁侍」としてのエピソードが多い方が良かったのではないかと思う。「武士」の方に重心が寄りすぎた印象がある。

安信がもっと料理で悪戦苦闘する場面を描いてもよかった。春が料理でもっと活躍してもよかった。「武士」よりも「献立」の方にもう少し重点を置く方がよい。

2013年製作、朝原雄三監督。

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