呑気な時代だった

昔はモーターボートに乗るのに免許が必要なかった。観光地の湖などで、ごく普通に貸し出していたのである。手漕ぎのボートを借りるのと同じ感覚である。当時子供の私でも、何度もモーターボートを運転させてもらった。今考えると実に危ないことだったかもしれない。

モーターボートだけじゃなく、手漕ぎのボートだってよく考えたら危険と隣り合わせだったと思う。榛名山の広い湖で子供だけでボートに乗ったりしたけど、遊覧船やモーターボートも走っていて、それらによる波でかなり揺れることもある。ボートから落ちたり転覆したりすれば、まず助からなかっただろう。岸からは遥かに遠いので助けに行くとしても間に合わないし、そもそも遠くて見えないから気が付かない。今みたいに救命胴衣を着るということもなかった。

これに限らず、昔は色々なことが緩かった。小学校だって幼稚園だって、当たり前のように一人で歩いて登下校した。今は幼稚園まで一人で歩いて行かせる親はほとんどいないだろうが、そもそも昔はスクールバスなんてものも無かったのだ。

今の時代だと危ないことになるわけだけど、昔はそれが当たり前だったし、それで特にどうということもなかった。呑気な時代だったのかもしれない。

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