日本は憲法上、私権を制限することはできないことになっている。日本国憲法には緊急時に私権を制限する「緊急事態条項」が無いのだ。それは戦争に至ってしまったことへの反省に立ってのことである。しかし他の国では、緊急事態になったら私権を制限することは当たり前に行われている。それぞれの国の憲法に「緊急事態条項」があるからだ。しかし日本にはそれが無い。
ところが要請と言いながら、休業しないと店名を公開するなどと恫喝して強制に近いことをやった。どう見ても憲法違反である。武漢ウイルス（新型コロナ）を抑えるためではあるけれど、憲法違反は憲法違反だ。やっていることはファシズムに近い。
日本では大人しく従っているが、権利意識の強い欧米だったらデモくらい行われても不思議ではない。欧米各国の憲法にはきちんと緊急事態条項がある。日本の憲法には無い。それが私権を制限できるかできないかの差である。
今後も今回の武漢ウイルスのようなことがあるかもしれないのだから、きちんと憲法改正してケリをつけておいた方がいいのではないだろうか。日本では国民が割と素直に政府の要請に従うので、私権の制限までは必要がなく、今後も今回のように要請で済むかもしれない。しかし実際に行うのは私権の制限ではなく要請だとしても、公共の福祉を優先できる条項を追加しておけば法的な後ろ盾ができるのであるから、憲法改正はしておくべきなのだ。
