話をはしょると伝わらない

先月末に友人から、あと3ヶ月というメールが来た。秋頃に実家に帰るはずだったのが年内は東京にいることになったと聞いていたので、「あれ?年内じゃなかったの?」と返信したら、「定年のことじゃ」と返ってきた。

私はとっくに会社を辞めているので、定年なんてまるで興味がなくて、まったく思い当たらなかったのだ。アニメーターの友人なんかも定年なんて無いから、やっぱりすぐにはわからないんじゃないだろうか。当人にとっては定年というのは節目の大きな出来事かもしれないが、私にとっては「そう言われればそうだっけ」くらいのものである。

発信者が当たり前に思っていることが、受け手には全然当たり前じゃなくて、違うことを考えているというのが面白い。直前にそういう話題の流れがあればわかるのかもしれないが、メールで話の断片がポンと送られてきても全くわからない。何があと3ヶ月なのか書いてあればすぐにわかるのだが。ずいぶん前に話したようなことを、同じようにずっと共有しているとは限らないのだ。

この友人のメールにはこういうのが多くて、「なんのこっちゃ?」という場合がよくある。当人にはわかりきったことであり、また「お前もわかっているだろう」ということで話をはしょるのだ。しかし当然ながら、こちらには何のことかわからない。彼のメールは”殿様メール”なのである。「余の考えていることは当然わかって然るべき」ということなのだ。(^_^;)

そもそも対面のときのような表情や言葉のトーンも無くニュアンスも伝わらないのだから、メールではくどいくらいに説明しないと真意は伝わりにくいし、誤解を生じることにもなりかねない。メールとはそういうものである。

「定年まで」とたった4文字追加するだけで、一発で話が通じるのに。殿には困る。

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