シェルブールの雨傘

去年の夏頃に深夜に放映していたのを録画して、今年になってやっと見た。40年くらい前に一度見たことがあるので大まかな内容は覚えているが、細かい所はまるで忘れている。本当は最初の10分くらいで、やっぱり見るのをやめようと思ったのだ。この作品のセリフはずっと歌なので、ちょっとしんどくなったのである。

この映画はミュージカルの範疇に入るのだろうか。ミュージカルというと、ストーリーの合間合間に歌って踊ってというのが普通だけど、この映画は踊りは無いがずっと歌っている。セリフが全部歌なのだ。だからミュージカルといえばミュージカルのようなんだけど、しかしまるでミュージカルという気がしない。こういうのはなんと言えばいいのだろう。オペラ?

最初の10分で見るのをやめようと思ったけど、エンディングだけちょっと見たいと思って最後の5分くらいを見たら、シビレてしまってやっぱり通して見ることにした。グッとくるエンディングなのである。雪景色の別れの場面は心に残る。名作はやはり素晴らしい。

傘屋の娘のジュヌヴィエーヴ(カトリーヌ・ドヌーヴ)と自動車の修理工のギイ(ニーノ・カステルヌオーヴォ)の悲恋の物語。愛し合いながらもギイの兵役で離れ離れになり、別々の道を歩むことになる。

ジャック・ドゥミ監督の作品は、画面が色鮮やかで眺めているだけでも楽しい。「ロシュフォールの恋人たち」も「ロバと王女」もそうだった。ちなみにどちらも主演はカトリーヌ・ドヌーヴ。

音楽はミシェル・ルグランで、テーマ曲を歌うのは「二人の天使」のダニエル・リカーリ。

1963年製作。

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